FP1級学科試験対策にオススメのテキストとは?

こんにちは。FP1級技能士のみにまるです。

本記事はきんざいのFP1級対策テキストを元にレビューしていましたが、下記のように金財のテキスト事情が変わっています。そのため23年以降の状況に合わせて大幅にリライトしました。

目次

【2023/5/31】きんざいの経営統合によるテキスト出版への影響について

一般社団法人金融財政事情研究会と株式会社きんざいの統合により今後はFP試験の対策テキスト「合格ターゲット」や精選問題集はきんざいからは出版されないことになりました。

2023年4月1日、一般社団法人金融財政事情研究会は株式会社きんざいと経営統合しました。株式会社きんざいが制作していたFP受検対策に関する書籍・セミナー等は、今後制作・販売しません。

https://www.kinzai.jp/news/fp20230516/

金財ときんざいが統合?どういうこと?

と疑問に思われる方も多いと思います。

一般社団法人金融財政事情研究会(いわゆる金財)はFP技能検定試験の指定試験機関です。
一方株式会社きんざいは社団法人金財の関連会社で、出版やセミナー開催をなど営利事業をおこなっていた会社でした。

FP1級対策の王道、合格ターゲットや精選問題集、実技試験対策本(赤本、緑本、ピンク本)は株式会社きんざいから出版されていました。

2023年4月の両団体の経営統合により、公式に一番近いテキスト問題集がなくなるのは非常に残念です。

何故出版されなくなるのかというと、試験実施団体と対策本の出版社が同じ組織では公平性に問題があるからでしょうね。
当然ですが、金財ときんざいは別組織として独立し、試験等の情報は行き来していなかったと試験委員の先生がお話されていました。(Twitterスペースより)

他出版社できんざい本の後継テキストもあるようなのでそちらも併せて紹介します。

2023年9月以降FP1級試験対策本

受検指導に精通した講師陣による、FP技能検定1級合格に必須の全6課目の項目を厳選したテキストです。金融機関のFP受検研修に使用されています。

https://www.bks.co.jp/item/978-4-8283-1020-6

ビジネス教育出版社というところから、上記の合格テキストと対策問題集が6/17に出版されます。

紹介文によると、きんざいの合格ターゲットと精選問題集に似た形式のようです。

金財からはFP実務本が出ます

私がイチオシしていたきんざいのFP1級教本(6分冊)は2023年以降は金財から実務本として10分冊で出るそうです。

過去問題集も出るようですが、こちらは最新の法改正に対応した解説はありません。当時の法改正の条件がそのまま掲載されるだけです。

https://www.kinzai.jp/fp/fp2/

新しいテキスト問題集を選ぶ際は出来る限り本屋さんで実際に目で見て、自分に合ってそうなテキストを選んでください。
試験まで3ヶ月ほどは、毎日付き合うものなので、自分の感覚にしっくりくる書体やデザイン、文面か確認してから買った方がいいです。

FP1級本試験レベルの詳細なテキストをオススメします

よくFP1級の試験後の感想で「テキストに載っていなかった〜」というお声を見かけるのですが、コンパクトなテキストはカバー率が低いことが多いです。

今まではきんざいの教本(6分冊)が最強でした。23年5月試験で初出題された「イールドスプレッド」もきんざい教本はカバーしていいます。みんほしもカバーしていますね。

どこのテキストを使っていたから合格して、どこのテキスト使っていたから落ちたと言うことはありません。
本番試験で得点できる力があるかどうか、FP学習の実力が合否を決めます。

テキストに足りない情報があるのは当たり前です。FPとして日頃から最新の情報をキャッチアップし、FP分野に関わる教養を深めることが重要だと思います。ただそれは一朝一夕にはできません。FP関連の一般書や専門書を読むのはオススメですが試験前には時間がなさ過ぎます。

試験対策としてはSNSで受験生仲間と情報交換し、またFP6分野の各専門士業(税理士、社労士等)のアカウントをフォローして最近の話題を追っていくことで自然と情報は集めやすくなると思います。

テキストを自分専用最強本に仕上げる(書き込む)

よく「テキストより過去問・問題集が重要。問題集を先に読んで、テキストはあまり読まなくていい」と効率的な勉強法では言われています。私もその通りだと思います。テキストを先に端から端まで完璧に読んでいては試験に間に合いません。テキストだけ読んで理解したつもりになっても問題が解けなければ、試験対策としては何の意味もありません。

ただ過去問だけ解いて過去問のパターン丸暗記は危険です。以前はそれでもよかった部分がありましたが、ここ3回ほどのFP1級学科試験はYouTubeやSNSで試験対策のノウハウが出回ったことによるテコ入れがなされています。

単純な過去問丸暗記では本試験に対応できなくなっています。

きちんと基本、本質を理解していること

が求められる試験に変質しつつあります。これは最近の過去問(21年以降)を解けば実感できます。だからこそ過去問(問題集)だけでなくテキストの読み込みが必要になってきます。

問題集とテキストの往復が大事:
問題集→テキスト書き込み→問題集→YouTube解説→テキスト書き込み→過去問→Google検索→テキスト書き込み…以下無限ループ∞

私の汚いテキストで申し訳ないですが、テキストと過去問の間をつなぐ情報を自分で調べたり考えたり工夫して書き込むことが1番勉強になったと思っています。

これは割引債の年複利利回りの公式が分かりづらいというクレームです笑

このようにきんざいテキストでは結論の公式のみぶっきらぼうに書いてあり、その公式の意味や導出過程が省かれています。
ここは自分で途中の計算過程を書き込んだりして理解しながらテキストを読む必要があります。

割引債の年複利利回りはFP1級学科試験基礎編の定番問題で、出題されたら確実に正解しなければいけないサービス問題です。

ですがこのような基本的な問題を解くにもテキストが不親切であるため、最初は理解するのに時間がかかるかもしれません。

テキストは最初はザックリ読む。問題演習でわからないときにテキストに戻って真剣に読み込む。

この順番でいいと思います。テキストを最初に深く読んでまとめノートを作ったりするのはやめた方がいいです。

余白や行間にこそテキストの価値はある(書き込める!)

このように自分でテキストの余白や付箋に書き込み拡張していく過程こそ、テキストの価値なのです。分かりづらいところが美点になる笑!!

ちなみにテキスト拡張の書き込みにはコクヨの「まとめがはかどるノートふせん」が便利です。

テキストの例題(Pick Up問題)は必ず解く

テキストの例題やPickUp問題は良問揃いです。中には問題集より難しい問題もあります。例題だと思って舐めてはいけません。テキストの例題をしっかり解いて基本を身につけることが、本番試験で過去問に出題されていない新傾向の問題を解くときの底力になります。

22年5月試験で言えば新傾向の問題と言っても奇を衒った難問ではなく(22年1月試験は論外の奇問難問でしたが)、単に過去問で出題頻度が低いテーマであっただけで多くは教科書例題レベルの基本問題です。でも、いきなり出ると難しい。だからこそ基本の例題を私は重視します。

余裕があれば教本(分冊)はオススメです

メインテキスト:合格ターゲット
サブテキスト:掘り下げたい分野のきんざい教本(分冊)

もっと掘り下げたい、この分野は極めたい!という方はサブテキストとしてきんざい教本(分冊)を買ってみてはいかがでしょうか?

現在Amazon等で発売されているきんざい教本6分冊は22年度版です。2023年9月以降の試験用ではありません。ご注意ください。2023年度版の金財の教本は10分冊で試験対策用ではなく、実務家向けの書籍のようです

教本はサイズも大きく、文字も見やすく説明も丁寧です。細かい情報が漏れなく載っているので過去問カバー率は1番高いテキストです。またきんざい実技試験対策本の推奨参考図書として挙げられています。面接実技試験対策にも耐えうる十分な情報量です。

きんざい実技対策本の表紙折返し

きんざい教本(分冊)の良いところ

  • 例題が充実
  • 見やすいレイアウト、大きな文字サイズ
  • 実務、実技試験対策にも使える豊富な情報量

教本はまず例題が素晴らしいです。試験直前まで何回も解いた例題もあります。

学科試験対策だけでなく面接実技試験向けの問題やテーマもしっかり載っています。特に事業承継や相続税対策スキームは合格ターゲットに載っていない詳細な解説があります。

22年1月試験で多くの受検生を苦しめた小分類中分類の例のアレ「財産評価基本通達 181 類似業種」まで載っています。。。

正直、「これ絶対本試験には出ないな…」という細かい情報も載っていますが、FP1級学科試験の基礎編は「重箱の隅をつつくような問題」がたくさん出ます。実際本試験で教本で学んだ知識は基礎編では直接的には役立っていないと感じますが、応用編では大きな支えになりました。22年5月試験応用編の新傾向の問題も教本の例題を解いて身につけた基礎力が活きたと感じています。

追記:きんざいの6分冊教本は出版されなくなりました。実務本として10分冊が出ています。試験対策用の過去の教本を買うのもありだと思いますが法改正にはご注意ください。金融や不動産、相続は自分で法改正情報を調べて補えば、十分過去の教本も使えると思います。

下2冊の教本は2023年9月以降の試験用ではありません。ご注意ください。

問題演習とテキストは往復で

テキストの使い方を長々と書いてきましたが、結局得点に結びつくのは過去問演習、問題集演習です。いくらテキストを読み込んでも得点できるとは限りません。だからこそ例題を手を動かして解いて問題集、過去問演習をやりながらテキストを読み返す。

問題集⇄テキスト⇄ YouTube解説やGoogle検索活用

どのテキストでも合格はできます。

問題集とテキストの往復でテキストを拡張し、自分専用の最強本に仕上げて合格を勝ち取りましょう。

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